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奪還

もはや何の註もつける必要はないと思うが、北朝鮮の拉致被害者である蓮池薫さんの兄・蓮池透さんが出された一番最初の本です。(続いて「奪還 第2章」を出版されています。)
この著書「奪還」が出版されたのは2003年の4月です。僕は出版後、約3年の時を経てこれを読んだわけですが、やはり3年という月日でも長いことを痛感させられました。というのも、今現在では帰国された拉致被害者のご家族は日本に在しているわけだが、もちろん本が出版されたときは拉致された5人だけの帰国という事実しかなく、マスコミ否、家族ですらその背景がどうなっているのかわからずの事態で、5人も北朝鮮での生活のことを口にしていなかったからである。北朝鮮に被害者の家族がいわば“人質状態”にあったことで、黙秘せざるを得なかったのだろう。口にしていなかったというよりは、口に出来なかったということだ。透さんもそう記している。

僕は3年前当時の背景をとくに深く考えずにこの本を読んだ。が、僕のその浅はかな態度は、本を読むにつれて軽率だったことを思い知らされた。僕の浅はかさというのは、透さんの著書に第三者として、また読者として、内容の濃いもの、つまり何らかの波乱万丈伝や、報道されていない身内同士の特別な何か等を期待していたことだ。が、実際には「北朝鮮の話は避けるようにしている」と、書かれていた。読者にとってではなく、透さんにとっては弟が戻って来た!という事実、それだけで24年前の否24年間の悲痛なそして半分失意の伴っていた想いがあふれでてくるののはもっともな話だ。その結果、「奪還」に綴られたのは弟と過ごした24年前までの日々や、24年前からの暗澹たる日々についてだった。
今でこそ、世の一般の人でさえ拉致被害者5人の生活がどんなものであったか、少しは知りえることが出来る。ほんの少しだけど。だが、そのほんの少しが3年前にはゼロだったことを考えると実に想像しがたいものに襲われていたことがイヤでもわかる。そして「奪還」に記された透さんの弟・薫さんに対する想いは、幼い時から(拉致される直前の)大学生活を送る時を経て今に至るのだと、彼ら二人は深い愛情と絆で強く結ばれているのだと、非常に感銘を受ける。
この2年後に出版された「第2章」も読もうと思います。

拉致被害者とその家族の皆さんにここに敬意を示すと共に、少しでも早く解決に向かうことを心から祈ります。

Comment

  • 2006/05/05 (Fri) 23:50
    あっちゃん35 #- - URL

    今晩は。以前横田滋さんの写真展が有楽町であった際に、見に行きました。写真からは家族のあたたかい日常が伝わってきて、それを奪われたご家族の悲しさとがあまりにも対照的で涙がとまりませんでした。

  • 2006/05/07 (Sun) 00:16
    内村 #- - URL

    そうだろうねー・・・。

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Trackback

2006/05/07 (Sun) 09:26

■北朝鮮の宋日昊大使(日朝協議の代表)が、横田早紀江さんら拉致被害者の家族がアメリカのブッシュ大統領と面会したことを非難していることが判った。非難している理由は「拉致問題を国際化した。北朝鮮に対する攻撃材料にしている」ということらしい。■まあ、日本にして

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