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弟の戦争

ロバート・ウェストールという人が書いた「弟の戦争」という本を読みました。ロバートはイギリスの児童文学を代表する作家の一人で、この作品で数々の文学賞を受賞しています。


児童文学だからって大人が傲然となめてかかっちゃーダメっすよ。テーマが戦争だけにむしろ大人に高く評価があるんじゃないかと思うんですが・・。実際、児童文学賞を選定するのは大人だしね。

 「弟の戦争」は小説なんですが、あたかも実際に目の当たりにしたような視点で描かれていることに驚愕します。かいつまんで内容を説明します。主人公の男の子は普通の子供として育つ。が、その弟は生まれたときから不思議な能力を持ち、探究心が強く、また動物への愛護観念が非常に強い性格でした。その弟が、湾岸戦争を境に夜中、弟自信が寝ている間にイラクの兵士に変貌してしまう。知るはずのないアラビア語を話したり、あたかも空襲を受けているように周囲を土嚢(実際は枕や布団)で固めてきょろきょろしたり・・と。主人公である兄は最初、これをただの夢遊病だと遊び半分にからかっていたが、戦争が次々と展開されるにつれ、弟の夜中の奇行も激しくなっていく。そしてある日、その弟の中に湾岸戦争そのものがすっぽりと入ってしまう・・・と、こんな感じで。

“弟の戦争”は、湾岸戦争の真っ最中に執筆されたもので、ホントに児童文学として成り立てるのかと心配になるほどリアリティのある表現と内容でした。短い作品なのですぐ読めますが、その短い文章から訴えかけられるものはとてつもなく重く、考えさせられることが多く含まれている。

ところで湾岸戦争で僕が思い出すのは、そのときにリリースされたとんねるずのシングル「情けねえ」です。プロモの映像は湾岸戦争の戦地にいる子供たちや夜間に行われる多数の砲撃を映し出してました。非常に印象的です。あの戦争はテレビで常に生中継されるなど、一般市民をそれほど巻き込まないきれいな戦争といわれています。どこの誰がそんな言い方を始めたのか知りませんが、戦争にキレイという言葉を使うなんてどういう神経してんのか疑うね。
戦争は何もかも狂わせる。それまで戦いとは何の縁もなかった人まで、突然人殺しを余儀なくされることもある。当時は善悪が非常にハッキリしていたが、そもそも戦争に善も悪もないんじゃないのか。サダム・フセインの端倪すべからざる行動もさることながらそれに便乗する者たち、企業は一体何なのか。彼らに罪はないと?
やってもいい戦争なんて一つもないのだ。
争いからは何も生まれまい。
Theme: 読書 - Genre: 小説・文学

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