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フライパンで焼かれた少女

リチャード・ダンブロジオ著「ローラ、叫んでごらん~フライパンで焼かれた少女の物語~」を読みました。これまたノンフィクションです。タイトルでわかると思いますが、虐待された女の子がことばを一言もしゃべれず12年間の人生を過ごし、12歳のときに運命的な出会い(著者)をし、人間らしく立ち上がっていく人間の誠意と愛と感動の記録です。
ローラ、叫んでごらん―フライパンで焼かれた少女の物語 ローラ、叫んでごらん―フライパンで焼かれた少女の物語
リチャード ダンブロジオ (2000/02)
講談社
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信じがたい出来事ですが、頭のおかしくなった両親に生きたままフライパンで焼かれたローラ。当時1歳。瀕死の状態から一命をとりとめるも、彼女は生ける屍としてその後11年間を過ごす。著者(アメリカの臨床精神科医)との出会いで彼女の人生はどんどんいい方向へ進んでいくのですが、その背景にはほとんど無償で働くシスターたちの施設がありました。
 僕は久しぶりに本を読んで涙しました。活字を読んで泣いたのは「ダレン・シャン」以来ではなかろうか。。。泣いたのは虐待のひどさからではない。ローラの周囲の人々の献身的な姿勢とその愛に涙したのだ。まさに愛が憎悪に勝った瞬間だ。
 虐待を受けた児童が社会復帰をするのは非常に難しい。(ローラのように)よっぽどめぐまれた環境でなければ、ただの精神患者として病院送りとなり、万が一そうならなかったとしても、犯罪者の道を歩むことになる。それぐらい児童時の虐待はその人の人生・人格に多大な影響を与える。この点についてはトリイ・ヘイデンの著作をお勧めしたい。(彼女のたくさんの本にはありありと虐待の事実が描かれている。)トリイはこういった虐待された児童を何人も目にし、救ってきた人だ。が、そんな彼女の支えがあり、見事に社会復帰をしたかに見えた人でも、彼女の手から巣立って間も無く、暗澹とした人生を送るという場合がある。実際、これもトリイは自信の著書で赤裸々に記している。たとえば、彼女の著書には虐待され、自分を守るために多重人格になった子をひとりの普通の人間に戻し、「あぁよかったな」で終わった本がある。が、数年後に“普通の人間”からまたしても多重な人格が復活したという事実があり、それもまた記録として残している。虐待の影がどこまでもつきまとうことが事実として取り出された、陰鬱な事象のひとつだ。
 さて、話を元に戻すが、「ローラ…」の著者であるリチャードの人生もまた大変興味深い。彼の過去は本書で以下のような内容のことを記している。
ニューヨークのスラム街に生まれ、貧乏人の一人としてそこで育ち、学校で教師への怒りをかったことから特殊学級に障害児として入れられる。その後運よく、彼にきちんと目を向けてくれた教師のおかげもあって、リチャードは苦学の末、精神科医となった。
簡単に要約しすぎたか・・・。ま、まあとにかくこういった事実があったわけで、それもまた氷山の一角なわけで、ただ事実としてこういう現実があることを、大人である僕たちは知っておく義務があるように思う。ワイドショーのコメンテーターが言いそうな言葉だが、大人は地域住民として子供に目を光らせていなければならない。こんなせちがらい世の中をどうして生きようか。。

涙は、怒りや憎悪によって流されてはいけない。温かい愛に包まれることで生まれる雫が真の涙だ。 ―内村

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