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足の裏に釘が刺さった日 ・・ER・・

ずっと続き


救急病院に着いた俺。時間外受付の窓口へと足を引きずりながら歩いた。受付には定年を迎えてパート労働しているらしき老人が3人。入ってきた俺を見ようともしない。受付正面に立っても誰も相手にしない。いらっ!!!!お前らぼけー仕事しろよっ!と思いつつ、俺から声をかけた。

俺「すいません、さっき・・・」

手元の書類を見ながら、老人A「お名前なんでした?」

俺「名前?名前なんて名乗ってないけど」

老人A「え?それはなんで・・?」
老人B「困ったな・・看護師さん聞いてないの」

もう俺がいらーーーーーっとする会話が繰り広げられようとしていたその時、先ほど電話で俺と話した看護師さんが登場。
看護師「あーさっきの釘の方ですか?(笑顔)」
俺「はい、俺ー名前言いましたっけ?」
看護師「いえ、聞いてないですー。(笑顔)こちらの書類を書いてお待ちいただけますかー?」
俺「はい」

このボケ老人どもが!なんで対応出来へんねん!!いらいら!!と痛みと怒りに燃える俺だったが、おとなしく書類に必要事項を記入して、長椅子で待つことに。

待合室の隣には、「観察室」なるものがあって俺の興味を引いた。観察?俺の脳裏に浮かんだのは虫眼鏡をもった少年がしゃがんで人を観察する姿。なんでやねん!もう変なテンションなってた。

で、その待合室には、深夜1時を回ったというのに20歳前後の姉妹のいる家族連れや、おっさん、老夫婦が座っていた。家族連れは帰るところだった。「では、お二人とも粉薬が出ておりますので、こちらを飲んでください。お大事にー」と見送られていた。救急だったのか??なんか普通だし。こんなもんかね。

おっさんはウロウロ。多分ER内に治療中の人がいたんだと思う。老夫婦は・・・と俺がひまつぶしに周りの状況を伺っていると、1台の救急車がやってきた。俺がいる待合室のすぐ外に救急車が止まると、ストレッチャーにのった男らしき人が運ばれてきた。そして待合室すぐ横のドアから入ってきた!

ええええええええええええええええええええ!!

そっから入ってくんのかよ!

丸見えじゃん!!!マジかよ。

血だらけの人とか来たらやだし。見たくないし。でも丸見えだし!!
俺の不安数値は一気に急上昇した。ここ大丈夫か。なんでこんな造りなの。。。

俺はちょっとワケあって、去年の9月から12月まで毎日のように病院に通い、寝泊りもしていた。その病院も急患を受け付けるERがあって、毎晩のように何台も救急車が来ていた。ただ、そこはERが独立しておりER内どころか、入院患者や今回の俺のような時間外受付にくるような人からは運ばれて来た人すら見えないようになっていた。ERはそういったものだというイメージがあったから、俺が目の当たりにした治療待ちの人のすぐ横をストレッチャーに乗った救急患者が通るという事に俺は非常にひっじょーーーに驚愕した。まあ、すぐに自動扉の向こうへ入って行くので距離にして2メートルぐらいなんだけどね。でもよ、何か入ってきたらそっちに目がいっちゃうし。

そーいったわけで、救急車で人が運ばれてきたのだから、俺の番はまだだなと落ち着きを取り戻す。でも時々自動扉の向こうから医師や看護師の声が聞こえてくる。落ち着きを取り戻したはいいが、今度は待つという状態に不安がどんどんと胸いっぱいに広がってきた。待合室にはテレビが一台置いてあってなんかの洋画が放映されていたけれど、俺は緊張状態でそれどころではない。俺の貧乏ゆすりもいつもよりスピードを増していた。ドキドキイライラハラハラワクワクだし。いや、ワクワクは無かったかな。

数十分後、また一台救急車が到着。今度は女性老人。多分認知症でパニック起こして運ばれてきた。その人は自動扉の向こうへ一旦入ったあと、俺が気になっていた例の観察室へと運ばれていった。少年に観察されんだし。

いこと待った。待つこと1時間半。やっとこさ俺の名前が呼ばれた。俺は左足を引きずりながらも未知であった自動扉の向こう側へと歩んだ。トンネルを抜けるとそこは雪国だった。ハズはなく、20畳ほどの広さの空間になにやら近未来的な医療器具が雑然と置いてあり、カーテンぽいパーティションで2,3仕切られていた。仕切りの向こうには現在治療中の人が数名いるようだった。首を伸ばせば隣の人が見える程度の簡易な仕切りだったが、大変恐ろしい光景を見てしまうことを恐れて俺の視界は必要最小限の空間にとどめることにした。

 俺の姿を見るやいなや、「相当ツラそうですね」と医師が言った。看護師が車椅子を持ってきましょうか?と気を使ってくれたが遠慮した。それは大げさだし。
 医師に事情を説明すると、まずは採血とレントゲンを取ることとなった。俺は平静を装いながら心の中で絶叫してた。

( ええええええええ!? 血ーとるの? 聞ーてねーし!心の準備が出来てないよ!!!)

なんてったって、俺は大の採血嫌い。多分誰よりも嫌い。注射は平気だが採血だけは無理。そして医者「3本採血」と看護師に支持。

( ええええええええええええええええ!? 3本? 摂りすぎじゃね? 何時間かかんだよ!)

もちろんものの2,3分なんだがね。俺には永遠にも感じるよ。そして医師はどこかに消え去った。
 看護師が俺の採血の準備をしている間に、隣から声が聞こえてきた。看護師が高齢の男性患者に「もう足切りますね」と一言。

( ええええええええええええええええ!? 足切んの? そんな簡単に言うの?!)

大変な所に来てしまった。やべぇ。俺の足も切られる!と思っていたら、それは男性患者のズボンの話だった。紛らわしいとこで紛らわしい言い方すんなと俺は首を突っ込みたくなったが、よく考えればズボンを切るってことはそれなりの傷を負っているということだ。あー恐ろしや。俺は両耳を塞ぎたかったが、採血の為に腕を取られていたため片耳しか塞げず、その室内で発せられる声は全て耳に入ってきてしまった。そしていつの間にか体温も計られていて、俺は熱が出ていたことを初めて知った。

また隣から声が聞こえてきた。医師が話かけている。

医師「ご家族は?」

患者「いません。」

医師「両親は?」

患者「死にました。」

医師「兄弟は?」

患者「いません。」

医師「仕事は?」

患者「無職です。」

医師「どうやって生活してるの?」

ここまで聞いたところで俺はレントゲン室に運ばれていったので、隣の人がどうやって生活しているのか聞けなかった。なんだか気の毒だし。気の毒だけど、実は超大金持ちで家に帰ればハーレムが待ってるかもと思い、気にしないことにした。
 レントゲン室へはストレッチャーに仰向けに寝ている状態で運ばれた。過去に一度も大きな病気や怪我をしたことのない俺は不思議な気持ちになった。テレビや映画でみるオペ室への入室はこんな感じか。天井と看護師の手しか見えなくて怖い。床の振動も伝わってくる。俺の手を握る者は誰もいない。(いや、レントゲン撮るだけだし。。。)
 レントゲンを取り終えると、少しお待ち下さいねーと一人レントゲン室に置き去りにされた。15分ほど。なげーし。どんだけ忙しいんだよ。あーこわこわ。
 しばらくして、俺を元いた場所へと看護師が運んだ。すぐに医師がきて

医師「これはちょっとやっかいですね」

俺「ええええええええ」
俺「やっかいってなんですか?治療するのが?今の状態が?」

医師「うーーん、、、」
なんとも言えない医師の答え。そして「ちょっと待っててください」とのこと。どうやら俺の隣にいる患者の治療に忙しいようだった。

医師に患部を触られたのか、隣から「いててててててててて」という声が聞こえてきた。おお、気の毒に。でも俺の方が騒いでる気がする。。。ちょっと恥ずかしくなった。
声からするとその患者は6,70代ぐらいのじーさんのようだった。続けて、医師とじーさんの会話が聞こえてきた。

医師「今日は何時からお酒飲んでたの?」

じーさん「16時から20時まで」

医師「怪我したのは何時?」

じーさん「20時」

医師「20時に怪我して1時に救急車呼んだの?それまで何してたの?」

じーさん「タクシーを待ってたけど、全然こなくてコンビニまで歩いとった」

( 俺:歩き過ぎだろ!何時間歩いてんだよ!んなハズないし! )

医師「コンビニまで歩いたの?それで通報したの?」

じーさん「はい」

医師「誰かが救急車呼んでくれたの?」

医師「はい」

( 俺:まだ酔っ払ってんのかね。どんな怪我したんじゃろ。。 )

医師「自分の怪我した部分みたことある?」

じーさん「見てません」

( 俺:ええ?そんなことあんの? )

医師「あのねー、〇〇さんね、皮膚がパックリ破れてね、中から骨が飛び出してるんですよ」

じーさん「ああ、そうですか」

えええええええええええええええええええええええええええ!!
そんなの聞きたくなかったし!
こわっこわっ!じーさんの反応もおかしいだろ!!どんな状態だよ!こわっ!
俺は耳を塞いだが、片腕は脈計るやつかなんかで固定したままになってたのでまたもや会話は丸聞こえ。医者と看護師ってすごっ。そんな状態の人がいても俺としゃべるときはあんな和やかムードだったのかよ。俺の話聞いて笑顔すらこぼれてたし。
続いて、
医師「これね、かかとから骨を削って、その骨を足の怪我したところに持っていって傷口を縫うけど、担当の先生に聞かないと出来るかどうかはわかりません。しばらくは寝たきりの状態になりますよ」

じーさん「ああ、そうですか」
じーさん「いてててててー」

恐ろしい。ってか、じーさんもっと痛がらんくていいのか。反応おかしいだろ。これは風邪ですね、言われたのと同じだし。もっと何か言うことあるだろ。骨が飛び出してるぜぇ ワイルドだろぉ? 言えばいいし。俺ならパニックなる。骨飛び出てる時点でもうダメだし。隣を盗み見たりしなくてほんとにヨカッタぜ。きっと俺の方が騒ぐし。あーこわ。

違う所から声が聞こえてきた。
看護師「あの釘の人・・・なんとかかんとか・・・」
俺のことか。声が小さくて聞き取れない。耳をダンボにしてみたが聞こえたなかった。ってか、”釘の人”って呼ばれてんだし。俺も出世したもんだぜ。そして
看護師「点滴して待ってもらいます?」
と聞こえてきた。えー誰にだよ。俺か。釘の人に点滴すんのか?点滴なんて死んでもやだし!しばらくの間ドキドキわくわくして、俺の脈は大変なことになっていた。が待てど暮らせど何も起こらず、有難いことに点滴の対象は俺ではなかったことが判明。

それにしてもよく待たされた。医師と看護師が定期的にやってきて「すいません、もう少し待っててくださいね」と声をかけていく。待つのはいいが、誰の声も聞こえないところに俺を置いてくれと言いたかった。。。


続く・・・(もうちょっと)。

Comment

  • 2012/06/14 (Thu) 19:39
    Pipo #- - URL
    No title

    「ボケ老人どもが!」ってひどいしw
    さすがER、いろんなことがあるもんだ。
    けっきょくなにがやっかいなのかわからんし。

  • 2012/06/14 (Thu) 20:30
    じゅn #- - URL
    No title

    釘の人・・・w
    「紫の薔薇の人」みたいでなんかいいし

  • 2012/06/15 (Fri) 13:22
    ウチムラ #- - URL
    No title

    >Pipo

    「ボケ老人どもが!」ひどないし。急患受け付けるとこにいたらダメだし。ビルの管理人でもやってりゃいーし。万が一の時に役に立たんよ!!!
    ERはほんとに色んなコトが並行してあった。これでもだいぶ省略したほうだし。

    >じゅん
    「紫の薔薇の人」がわからんし。
    今度から釘の人と名乗ります。以後よろしく。

  • 2012/06/16 (Sat) 02:56
    えぼ #- - URL
    No title

    緊急病棟はいるとすごい不安なる気持ちわかるし
    大変な事になった感増す

    そして病院の対応のいらいら度は高い

  • 2012/06/17 (Sun) 06:57
    ウチムラ #- - URL
    No title

    >えぼ

    俺は骨の飛び出たじーさんの話がすごすぎて自分がERにいるのが恥ずかしくなったよ!!

  • 2012/08/06 (Mon) 16:59
    ぼっち #mQop/nM. - URL

    じーさんすごいし
    骨飛び出してから5時間歩き続けてたのかよ!!
    ERこわ。

  • 2012/08/06 (Mon) 18:44
    ウチムラ #- - URL

    じーさん意味不明だったし。
    そして今更のぼっちのコメントも意味不明・・。

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